京都で障害者福祉施設を運営する社会福祉法人ミッションからしだねです。

    
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建築物の遮音性能・振動性能調査

【音の伝わり方】
@空気伝搬音(空気音)
空気中を伝わり、壁・窓.・開口部などを透過して室内に入ってくる音。外部の車・電車・飛行機・工場・工事や隣りの住居生活音など。
遮音性能の決定要因:壁の厚さ、隙間(扉、壁取り合い)、窓、換気口など
複層ガラス(ペアガラス)は断熱効果が大きいが、空気層の厚さによっては単板ガラスより性能が落ちる周波数領域があると言われているので注意が必要です
ビジネスホテルでも、道路交通・鉄道騒音の大きい場所では透過騒音によく悩まされますが、二重窓構造のあるホテルでは効果は大きい。
      
A固体伝搬音(固体音)
建物外部や内部の振動が床や壁を振動させて伝わり室内壁を振動させて空気中に音として聞こえる。途中の減衰(エネルギーの減少)は空気音より小さい(壁に耳を当ててみると建物内の伝搬音が意外と多くある)。外部の鉄道振動、マンション上階の子供の走る振動、掃除機の移動時振動、給排水、エレベーター振動、ポンプなど。マンションはコンクリート構造物ですから基本的には固体振動はよく伝わります。

 振動(発生源)→床・壁の振動→建物の構造体→住居の床・壁の振動→空気中に音を発生→耳に聞こえる

対策としては、(1)発生源の振動を床・壁に伝わりにくくする:防振材(ゴム、マット)(2)壁・床が振動しにくくする:壁厚・スラブ厚を大きくなど
集合住宅ですので、深夜や早朝の音発生には配慮することが必要ですが、それでも苦情をうけたり、気になる場合は遮音性能が標準(何を標準かは建築学会の適用等級が目安ですが)より低い場合があります。

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建築物の遮音性能・振動調査は次の項目です。


遮音設計のための外部環境騒音の測定
「遮音設計のための現場における外部騒音の測定方法」(建築学会推奨測定基準)に準拠

これから建設しようとする建築物の外周壁(窓も含む)の適切な遮音設計のために建設場所の外部環境騒音(道路交通・電車・航空機・工場等の騒音)を調査します。周囲の環境騒音の把握のために。
外部環境騒音に応じた適切な遮音設計・施工がされていないと、入居後に騒音苦情が発生します。


【床衝撃音レベルの測定】
建物内で上の階から聞こえてくる床の衝撃音。
子供の飛び跳ね、走り回る時など比較的重く柔らかい衝撃が床に加わったときに発生する「ドスン・ドスン、ドタドタなど」という音(重量床衝撃音という)と、椅子の引きずり、掃除機の移動するとき、靴履きでの歩行、食器の落下など比較的軽量で硬い衝撃が床に加わったときに発生する「コツ・コツ、トントンなど」という音(軽量床衝撃音)があります。

測定方法は
「建築物の床衝撃音遮断性能の測定方法(重量・軽量)」JIS A 1418-1・2(2000)に準拠します。

標準重量衝撃源(バングマシン:タイヤの自由落下)、標準軽量衝撃源(タッピングマシン:スチール製ハンマの落下)を使います。
この標準の衝撃を床に加えたときに下の階の居室で発生する音圧レベルを評価値とします。
測定周波数は、オクターブバンドで、重量が63、125、250、500Hz。軽量が125、250、500、1k、2kHz。
評価はL値の等級(遮音等級)で表します。(JIS A 1419-2 付属 等級曲線による評価)
新JISでは、重量がLi,Fmax,r,H(1)-50(LH-50)、軽量がLi,r,L-50(LL-50)のように表示します。
LH-50、LL-50のままで表示されていることが多いようです。
日本建築学会では適用等級を定めています。適用等級(PDF20KB)

○重量床衝撃音は低い周波数成分の音(上記測定周波数63Hzの音圧レベルの大きさで等級が決まることが多い)ですので床構造躯体の剛性(曲がりにくさ)に依存するといわれます。遮断性能をよくするには、床スラブの厚さを増やす、剛性を強くする、小梁あり、スパン小などですが、ワイドスパン、小梁なしの現在の傾向では、スラブ厚さを増すことが一般的なようです。床表面仕上げの柔らかさ(カーペット、畳、防音型フローリングなど)にはほとんど依存しません。畳の場合には仕上げの不均一の要因か不明ですが衝撃音レベルが増している実例もみられます。乾式二重床の場合は、一般的にはスラブのみの場合より遮断性能が悪くなりますが、改善されている二重床もあります。天井は、空気層と天井板の共振で一般的な仕様においては不利に働くといわれています。
○軽量床衝撃音は、中・高周波数成分が多く、上記測定周波数125、250Hzの音圧レベルの大きさで等級が決まることが多いです。硬く、比較的軽い衝撃源が原因ですから、じゅうたん、畳、カーペットなどの柔らかい床表面材で衝撃を吸収できます。じゅうたん、カーペットに代わって、木質系フローリングが使われるようになり、軽量床衝撃音が増加して問題になりましたが、最近では床材メーカーから実験室データでL-35、L-30(200mm床板)の製品もみられます。遮断性能をよくするには、表面材を柔らかくする、乾式二重床にする、床スラブの厚さを増やす、剛性を強くするなどといわれます。天井は、有利に働くといわれます。

フローリング単体の性能がLH-50(カタログ値:実験室データ、現場推定値)であっても、そのフローリングを使った実際の洋室やリビングの性能が、LH-50となるとは限りません。試験条件と現場条件の違いで1ランク低下(LH-55)することは珍しくなく、現場測定値なのかカタログ値なのかの確認が必要です。また、5dBピッチで2dBの許容を認めますから、L-50といってもその範囲内で違いがあります(現場における測定では、重量床衝撃の場合、ほぼ63Hzの音圧レベルで評価が決まることが多いですから、63Hzの最大音圧レベル70.1〜75.0dBがLr-50の等級となります。より詳しくL数を用いることもあります)。同じスラブ厚さ、同じ床仕上げの室であっても現場測定値のばらつきがあります。もし、63Hzの最大音圧レベルで等級が決まる床だとしますと、63Hzの平均値が70.0dBですと、LH-45となり、70.1dBですとLH-50になります(2dBの許容をみて)。


空気音遮断性能の測定(二室間の音圧レベル差)
建物内の室と室との間の音の聞こえ方(遮音性能)の評価。(空気音遮音性能)
JIS A 1417(2000)「建築物の空気音遮断性能の測定方法」
建築学会 「建築物の現場における音圧レベル差の測定方法」

室から室に音が伝わるときには、界壁だけでなく床、扉、窓、換気口、隙間などを経由します。それら全てを含んだ遮音性能を評価します。
評価はD値の等級で表します。通常、マンションの設計ではDr-50(1級)が目標とされる場合が多いようです。
測定は、通常窓等を閉めた状態。Dr-50あれば通常の生活では問題ないようです。


建物の壁・窓の遮音性能の評価。(内外音圧レベル差)
建築学会「建築物の現場における内外音圧レベル差の測定方法」
@広帯域雑音を用いて(音源スピーカーからホワイトノイズを発生させて)内外の音圧差を調べる。
A実騒音(外部の道路交通騒音や鉄道騒音など)を用いて建物外部と室内の等価音圧レベルまたはピーク音圧レベルの差を調べる。
音圧レベル差に関する遮音等級の曲線にあてはめ、遮音等級D値を求める。

通常は、窓の遮音性能で決まります(消音換気口については室内全体に対する影響は少ないようです。ただし、換気口付近の影響はあるように思います)開口部の面積が増せば外部騒音の影響も増加します。角部屋では2方向の影響があり、幹線道路沿いや鉄道沿いでは5dB程度は増加するように思います
もちろん入居前の状態ですから、家具等が入れば室内吸音が上がり、影響は少し下がると思いますが。
窓の遮音性能は、ガラスの遮音性能とサッシの気密性によるといわれます。サッシの気密性は経年変化して悪くなり、遮音性能も低下します。


空調設備・給水・水洗トイレ・エレベータ・機械式駐車場・工場・電車・飛行機・道路交通等から発生し建物の室内に聞こえてくる音の評価(室内騒音)
建築学会「建築物の現場における室内騒音の測定方法」に準拠。
建築設備機器類から室内に発生する騒音や交通騒音や工場騒音など外部から室内に透過する騒音の測定方法です。

騒音環境基準の屋内指針(答申)では、夜間で睡眠影響に関して、一般地域で35dB以下、道路に面する地域で40dB以下としています。建築学会の適用等級では35dBが1級になっています。外部から聞こえる騒音が少なく静かな室内の場合、マンション内で発生する空調・給水・水洗・エレベータ等の音が気になる場合があります。(壁や窓の遮音性能がよくても床・壁を振動させて伝わる固体伝搬音が影響する)
30dB未満のレベルでも、純音性の「ウーン、ウーン」といったポンプ管系の固体伝搬音が気になることがあります。適用等級では1級ですが、固体伝搬を低くする対策が必要になります。
評価はN値、NC値、騒音レベルで表します。


建築物の揺れ(振動)
「建築物の振動に関する居住性能評価指針」(2004,日本建築学会)
を使って人の動作や設備、交通振動の性能評価をします。

木造3階建、鉄骨3階建、RCやSRCではある高さなどで、建物の固有振動数と高架道路などから地盤を伝わって来る比較的小さな振動の主に水平方向の卓越振動数が共振現象を起こして不快感や建具の振動を起こすことがあります。
また、建設工事重機や平面道路の不陸(段差)による振動によって住宅内で揺れがおこることがあります。この場合には経験的に住宅地盤で振動レベル60dBをこえると2階での揺れが感じられるようです。




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