書店員がおすすめの本を紹介するコーナー。 2024年5月号 | 社会福祉法人ミッションからしだね
   
京都で障害者福祉施設を運営する社会福祉法人ミッションからしだねです。
ENGLISH

社会福祉法人ミッションからしだね

CLCからしだね書店
CLCからしだね書店

活字文化の発信地、地域に開かれた交流と対話の場をめざします。

広域アクセスマップ
からしだねアクセス広域地図

からしだね館へは、このページの地図を参照してお越し下さい。

CLCからしだね書店便り
CLCからしだね書店便り

活字文化の発信地として、皆様と一緒に考えたい事柄をお伝えしていきます。バックナンバーもあります。ぜひ、お読みください。

        
古書販売の案内
古書販売コーナー

「真実なことば」はどの時代でも変わらない。今のあなたにぴったりの本が見つかりますように。

からしだね通信
からしだね通信

からしだね館の旬な情報をお届けする各情報誌はこちら。バックナンバーもございます。

カフェトライアングル
カフェトライアングル

本を片手にゆっくりくつろげるカフェ空間。

からしだねの癒し犬 デブからしだねの癒し犬 デブ
   

書店員がおすすめの本を紹介するコーナー。 2024年5月号

2024/5/1(水)

いのちより大切なもの

星野富弘著 いのちのことば社 1,200円+税  

星野富弘さんが、2024年4月28日にお亡くなりになりました。78歳でした。

中学校の教員をされていた20代の頃に、部活動中の事故で手足の自由を失い、神と出合い、それからは口に筆をくわえて、「詩画」と呼ばれる作品を描き続けてこられました。星野さんの作品の底には、小さく弱く取るに足りないと思われるような存在こそを、徹底的に愛してくださる「神」がおられます。

「神の愛」などと言うと、なんだかつかみどころがないもののようですが、私は、星野さんのアネモネの絵に添えられた詩に、星野さんの体験した「神の愛」があるのかなと思ったりします。

筆を嚙み砕きたいときがある

槍のように突き立てたいときもある

さまざまな思いが

風のように過ぎて

花を見ている(p18「筆を噛む」)

決してきれいごとではなく、甘いものでもない、「生きる」とは壮絶なものです。とまどいや怒りも抱え込んだ体まるごとで、神にぶつかっていく、「神の愛」はそれを受け止めてくれます。

私はけがをして、「死」と枕を並べて寝ているような時期もありました。でもこうして生かされて、今、いのちが与えられている。ですから、神様に「死ぬという仕事」を与えられるまで「生きるという仕事」をしっかりさせていただきたいと思っています。せっかく生かされたいのちです。しまい込まず、使い込んで良い味が出るまで、思い切り使っていきたいと思っています。(P64)

「生きるという仕事」と「死ぬという仕事」を誠実に尽くされた星野さんに、一読者として、こころいっぱいの感謝の気持ちをお伝えしたいと思います。


過去のアーカイブページへ