書店員がおすすめの本を紹介するコーナー。 2024年10月号
2024/10/12(土)
俳句で祈る
著者:平田栄一 出版社:サンパウロ 1,650円(税込)
まっすぐな道でさみしい 山頭火
例えばこのさみしさは、イエスの「十字架の道行き」に重なる、と筆者は言います。
まっすぐな道のさびしさ。そこには、身に沁みるような詩情があります。
へうへうとして水を味ふ 同
放浪の禅僧である山頭火の飲む水は、どこかイエスの言われた「いのちの水」にも通じます。
筆者は、西行、良寛、そして遠藤周作の友人であったカトリックの井上洋治神父などの例を挙げて、詩心と求道は昔から切っても切れないものだった、と語ります。