書店員がおすすめの本を紹介するコーナー。 2024年12月号
2024/12/3(火)

説戒
奈良康明 著 大法輪閣 2,000円+税

NHK「こころの時代」で仏教をやさしく説いた著者による、永平寺で行われた授戒会(信者に戒を授ける儀式)での講話。
仏教の戒とは、欲望への囚われから自由になって、無常の人生を心安らかに生きていくために、自ら進んで守る生き方の指針。誰かから押し付けられたルールではありません。安心して生きるには生き方の練習が必要。
とはいえ、一人ではどのように練習すればいいか分からない。 その練習を導いてくれるのが、戒なのです。
仏教とは、よりよく生きるための自主練習であり、戒とは、その自主練習を
導くガイドラインのようなもの。
仏教、そして戒は、無常を自覚して途方に暮れた人が、それでも前を向いて歩くための強い味方なのですよ、と著者は語りかけます。