書店員がおすすめの本を紹介するコーナー。 2025年10月号 | 社会福祉法人ミッションからしだね
   
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書店員がおすすめの本を紹介するコーナー。 2025年10月号

2025/10/8(水)

わすれられない おくりもの

スーザン・バーレイ    作・絵 /  小川仁央 訳     評論社  1,320円(税込)

小学校の国語の教科書には時々、とても哲学的な深い読み物が載っています。

時に「いのち」と「死」について、子どもたちに問いかける物語もあり、 大人になっても記憶の中に残ります。

『わすれられないおくりもの』もそのひとつと言えるでしょう。

みんなに慕われていた賢いアナグマが、年をとり、 そろそろ自分にも「死」がやってくることを自覚します。

アナグマは、死を恐れてはいません。

ただ、自分が死んだあとに残る動物たちのことが気がかりです。

ある日、体がが軽くなり、長いトンネルを走り抜けた先で、 ふっと自由になった気がしました。

アナグマの「死」でした。

アナグマを慕っていた森のどうぶつたちは、 アマグマと過ごした日々をふり返りながら、 その思い出を、時間をかけながら、明るいものとして受け入れていきます。

「死」は、私達に喪失に伴う痛みをもたらしますが、 同時に、残された者をより豊かな「生」へとに導く光でもあるのだと思います。

「生」は「死」があるからこそ輝き、 「死」は「生」によっておおわれる。

だからこそ、私は、より良く生きたいと思います。

そして、誰もがあたたかな「死」を迎えられる世の中であってほしいと 心から願います。 (め)


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