書店員がおすすめの本を紹介するコーナー。 2025年12月号
2025/12/1(月)

あんぱんまん
やなせたかし/作・絵 フレーベル館 1,397円(本体1,270円)

子ども向けの物語を大人が深読みし、勝手に考察することがあります。
お腹が空き、ひもじい思いをしている人に「ぼくの顔を食べなさい。」と、自分の体を犠牲にして差し出すあんぱんまん。
あんぱんまんは肉体を犠牲にし、傷つき情けない姿でパン工場のおじさんのもとへ帰ります。そして新しい顔を作ってもらい、力を得て再出発!
日々社会で自分を犠牲にしてまで働き、疲れ傷つく大人たち。
家庭へ戻り、日曜日に教会へ行き、癒され、新しい力を得て社会へ出ていきたい!あんぱんまんと自分を重ねる。
そんな大人の深読みもありかな?と思うのです。
(実際は作者の戦争体験による物語のようですが。)(ひ)









